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50cmカセグレン主鏡放物面研磨  投稿者: 夢作 投稿日:2016/12/01(Thu) 23:21 No.2849

50cmカセグレン主鏡はその後、精密放物面を目指して整形研磨に入っています。

左は整形研磨中の主鏡です。

中と右は放物面を検査するオートコリメーション・ナイフエッジテスト(ナル(ヌル)・ナイフエッジテストともいう)の為の50cm平面鏡と前記フーコーテスターの組み合わせです。





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   夢作 - 2016/12/04(Sun) 00:53 No.2850

整形途中の50cm主鏡のオートコリメーション・ナイフエッジテストによるテスト画像です。

明るく光っている部分と暗い影の部分が見えますが、これは上弦の月の欠け際(明暗境界線)付近にあるクレーターと同じで、向かって右側から光が照らしていると考えてください。
実際の鏡面のわずかな凸凹(ミクロンオーダー以下)を極端に強拡大して鏡面の欠点を調べるテスト方法と解釈できます。
このテスト法では、鏡面が完全な放物面の時だけ一切の影が見えません。整形研磨によってどこまで影の見えない状態まで追い込めるかが鏡面の出来を左右することになります。

右の画像は、整形が進んで左よりも凸凹がならされてきた状態です。





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   夢作 - 2016/12/04(Sun) 23:22 No.2851

上、左の画像の断面形状を半径分描いてみました。
フリーハンドなので、少し不正確、線がギザギザになっているのはお許しを・・





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   夢作 - 2016/12/06(Tue) 23:17 No.2852

整形研磨が進み、オートコリメーション・ナイフエッジテストの影が、だいぶ薄くなってきましたが、穴の縁が少しダレてきました。
そろそろ、ロンキーテストを併用してもよい段階です。

中の画像は、オートコリメーション・ロンキーテストの焦点内像、右の画像は焦点外像です。
ロンキー板は、1インチ(25.4mm)あたり300本のものを使っています。
F3ともなると、一般的に使われる200本/インチのロンキー板では精度不足で、最低でも300本/インチが必要です。

ロンキーテストから判断したこの段階での放物面との誤差は1/3λ(0.2ミクロン)程度です。





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   わたなべ - 2016/12/07(Wed) 22:21 No.2853

夢作さん、こんばんわ。

いよいよ佳境へ入ってきましたね。
リングの除去方法に興味あります、引き続きよろしくお願いします。

こちらの40cmF3球面はRFT測定で波面で1/2λ程度にきました。
ピッチが硬いので研磨痕が酷かったですが、細セリウムに変更して改善してきました。研磨ペースは落ちましたが・・・





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   夢作 - 2016/12/08(Thu) 23:50 No.2854

わたなべさん、こんばんは。

リングの除去方法にはいろいろありますが、今回は口径が50cmと大きく部分研磨がやり易いので、小口径ピッチ盤を使っています。(画像参照)
ピッチ盤の形状が単なる円だと新たな段差やリングを作ってしまう傾向があり、いわゆる洗濯板効果が生じるので、効果を緩和するためにイトマキヒトデ形(正三角形と等価)にしてあります。





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   わたなべ - 2016/12/09(Fri) 20:18 No.2855

夢作さん、こんばんわ。

写真で見せていただけると、よくわかります。
夢作さんの研磨機の構造もうる覚えなんですが、ストロークもセリウム跡から何となく想像できます・・・

機械研磨も思ったストロークが機構的にできないと難しいですね。
私の現在の研磨機は副鏡用にテーブルの回転を速くする改造したままなので、テーブルが最低でも60rpmくらいです。
この先のコントロールが難しいので、ゆっくり回るように改造します・・・




Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   夢作 - 2016/12/10(Sat) 22:30 No.2856

わたなべさん、こんばんは。

研磨機のストローク運動は設計次第で、どうにでも可能です。
普通の研磨機では、ストローク運動は直線往復運動あるいは弧往復運動かと思いますが、
私の研磨機では基本的に楕円運動と言うか、卵形運動をするようになっています。

手磨きでは非球面化の研磨においてオーバーハング(横ずらし)という方法を使いますが、
横ずらしを研磨機で行なうとステップやリングを生じ易いので、私の研磨機では横ずらしではなく、
斜め45度ずらしを自動的に行なうようになっています。45度という角度も設計次第で30度や60度など
何度でも可能ですが、私の場合は基本45度です。

さらに私の研磨機では、首を伸ばすことによって、狙うゾーンを研磨することが出来るので、
小ピッチ盤により部分研磨ができようになっています。




Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   わたなべ - 2016/12/11(Sun) 15:20 No.2857

夢作さん、こんにちわ。

クランク軸が2軸で楕円運動ができるようになっていましたよね。

私の研磨機も楕円ができるように、クランク軸を追加する改造を計画中です。 とりあえず、鏡をゆっくり回す改造ができたので、研磨再開しています。(汎用モータからギヤードモータへ変更)

45度傾きは、クランクの位相を調整するのですよね。

あと、クランク周りのガタが出てきたので、修理部品を手配したところです。




Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   わたなべ - 2016/12/11(Sun) 21:31 No.2858

夢作さん、こんばんわ。

鏡ゆっくり回転で、小ストローク、ほぼ同径ピッチ盤で4時間
鏡周は良化していますが、中央が穴です。

時間とともに中央の穴径が縮まっていくようなのでこのまま続けようと思います。





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   夢作 - 2016/12/11(Sun) 22:55 No.2859

わたなべさん、こんばんは。

わたなべさんのコメントNo.2857への返事は明日以降にさせていただくことにして、 No.2858への返事を先にしておきますね。

このフーコーテスト画像で中央が穴ということは、私の画像とは光の方向(ナイフで切る方向)が逆ということですね。
私は日本の鏡磨きの先駆者の方々の影響なのか、左から右へナイフで切ることに慣れてしまっています。
ですから、わたなべさんのこのようなテスト画像を見ると、注釈が無い限り、中央が山と判断してしまいます。

この辺は、ナイフで切る方向を統一した方が良さそうですね。




Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   わたなべ - 2016/12/12(Mon) 23:01 No.2861

夢作さん、こんばんわ。

今日は2時間研磨です、条件は変えず、ゆっくり回転で小ストローク
写真は180度回転しました。
前回の方が面の修正が楽にできそうな面だったような・・・
穴の深さは浅くなってきているので、ストロークを少し大きくして続けてみます。





Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   夢作 - 2016/12/12(Mon) 23:56 No.2863

わたなべさん、写真を180度回転してくださってありがとうございます。
これで判り易くなりました。何せこっち向きのフーコー写真に慣れているので・・・

偏球に穴の面ですから、面倒な面ではないですね。




Re: 50cmカセグレン主鏡放物面研...   わたなべ - 2016/12/13(Tue) 23:50 No.2867

夢作さん、こんばんわ。
ここまでは、程ほどよかったのですが・・・

この後、小ストロークで、横ずらしせずに作業していたら
いつの間にか、鏡とピッチ盤の回転がそろっていました。

弱アスになったので、リカバリーに数時間ロスります。


50cmカセグレン主鏡艶出し完了  投稿者: 夢作 投稿日:2016/11/23(Wed) 20:32 No.2836

50cmカセグレン主鏡の艶出し研磨が完了しました。

左の画像は、研磨を完了してピカピカのガラス面になった主鏡表面です。総研磨時間は16時間でした。

右の画像は、この段階でのフーコーテスト画像です。

F数が大きなF6とかF8とかのミラーの場合は、この段階では球面に近い面になっていれば以後の放物面に研磨する作業がやり易いのですが、
F3ともなると、この段階である程度、目標とする円錐二次曲面に近い面にしておいた方が以後の作業が楽になります。

その為に、大口径あるいはF数の小さなミラーの場合は、艶出しを行ないつつ自動的に円錐二次曲面を生成するような研磨を行ないます。
これには、ピッチ盤の大きさと研磨機の特殊運動の相乗効果が必要となるのですが、研磨途中で一応、現在の面形状がどうなっているかを確認するための
フーコーテストを2時間毎位に行ないます。
今回の50cmは、艶出し研磨完了の時点で修正量が放物面の70%位の楕円面になっており、このままでもDK(ダル・カーカム)の主鏡としてなら使えそうな面になっていました。





Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   Civet - 2016/11/24(Thu) 08:50 No.2837

さすが、F3ともなると、修正量到達度70%でも相当影が深いのですね。すでに素晴らしい面に見えるのですが、これからが大変なのでしょうか。

さて、添付しているのは、当方所有の15cmF5(ビクセンR150Sの鏡らしいです)のナイフエッジ画像ですが、こちらはF5にしては影が薄いような気がします(フーコーテスターのバックラッシュが大きく、ナイフの移動量読み取りに信頼性がないので修正量は不明です)

ところで、艶だしや修正の際にはカセグレンの中央穴は石膏等でふさがなくてもできるものなのでしょうか?

耐熱ガラスでできた鍋の蓋の直径30cmのものがR600(F1・・・!)t=4mmくらいらしいです。
実はこれが1000円以下で買えるようなので、2枚求めて一方を盤ガラスにし、研磨剤ですり合わせたら遊べるかな、と思っているのですが、中央につまみ用の数ミリの穴が開いています。
その程度でしたら砂ずりにもあんまり関係ないでしょうか・・・・?




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   夢作 - 2016/11/24(Thu) 23:46 No.2838

Civetさん、こんばんは。

> すでに素晴らしい面に見えるのですが、これからが大変なのでしょうか。

すでに素晴らしい面なので、これからは楽です。(笑)いや、冗談ではなく、本当にここまで出来ていれば以後は楽です。
但し、一回あたりの研磨時間は少なくなる換わりに検査回数は増えるので、トータルでの時間は結構かかります。

15cmF5のテスト画像、このように動画にすると面白いですね。
影が薄いかどうかは、光源の光量やスリット(またはピンホール)の幅(大きさ)や、撮影時の露出によっても変化しますから、
一概には言えません。
私が撮影したテスト画像はマニュアル設定で、ISO800、1秒露出ですが、露出をもっとアンダーにすると影は薄くなります。

> 艶だしや修正の際にはカセグレンの中央穴は石膏等でふさがなくてもできるものなのでしょうか?

はい、ふさがなくても大丈夫です。但し、私の経験上、穴径がミラー外径の30%以下の場合なら、ですね。
以前、外径200mmに対し穴径80mm(40%)を磨いたことがありますが、どうやっても穴の周辺部がオーバー(過修正)になって
手に負えなかった経験があります。
このような大きな穴の場合は、穴をふさぐ必要がありますね。

耐熱ガラス製の鍋の蓋・・・厚さ4mmですか!
ウーン、球面程度に磨いてソーラークッキング用途などなら使えるかも、ですね・・・




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   Civet - 2016/11/25(Fri) 20:40 No.2839

夢作さん、今回も色々教えていただいてありがとうございます。

ナイフエッジ画像の影の深さは撮影条件次第、ということですね。
いずれにせよ当方の画像はナイフエッジの移動量が不明なので、修正量がわからないです。
ちゃんとしたフーコーテスターを作らないとなあ、と思いながらもう数年たっています(笑)。

ガラス蓋の中央数ミリ程度の穴なら、そのまま研磨しても大丈夫そうですね。
しかし、このガラス蓋、当初、メニスカス形状でF3程度のニュートン主鏡を作ろうと思っていたのですが( Mel Bartels の多大な影響を受けています → http://blogs.yahoo.co.jp/jzd01063/32746319.html )、あまりにもRがきつくて駄目でした。

次に、何種類か持っている球面鏡を主鏡とし、マクストフ・ニュートンが作れるかなと思い、さんざん光学シミュレーションをしたのですが、上手くマッチングさせることができませんでした。
ガラス蓋の厚みが4mm程度なのでそれがネックになるようです(ガラスの厚みは8〜9mmは必要でしょうか。)

夢作さんのおっしゃるとおり、ソーラークッカーぐらいしか使い道がなさそうです・・・・・




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   わたなべ - 2016/11/26(Sat) 20:27 No.2840

夢作さん、お久しぶりです。

研磨作業のご紹介は、とても興味があります。
色々と参考になることばかりです。
(副鏡の記事も、できたらお願いします)

最近、こちらでも研磨始めました。
40cmのF3球面です。平面鏡を作るためのものです。
本日、ピッチ盤を作ったところですが、型合わせの具合が悪いので、明日型合わせの作業を行う予定です。

50cmともなれば、鏡も重くて大変ですね。
腰を痛めないように気を付けてください。

蒸着装置の方は自家用で使えるレベルですが完成しました。
ちなみに、50cmまでです(ご希望の80cmには家が狭くできませんでした・・・)




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   夢作 - 2016/11/27(Sun) 00:50 No.2841

Civetさん、こんばんは。

フーコーテスターのナイフの移動量を簡易的に測るためには、M6ネジを利用して工夫するのが良いですよ。
M6ネジのピッチは1mmですから、360度(1回転)回せばナイフが1mm前進(あるいは後退)するので、36度だと0.1mm・・この辺は分度器を駆使して自作のスケールを作ることは容易でしょう。

問題はバックラッシュですが、これは前進(あるいは後退)を少しずつにして行き過ぎないようにして、一方向にだけ測れば障害にはならないと思います。
また、ホームセンターで売っている小さなスプリングコイルを利用してバックラッシュを抑える工夫は、Civetさんの工作技術なら容易に出来ると思います。

なお、カセグレン中央穴をふさぐか、ふさがないかの件ですが、先日の私の記述は穴周辺の研磨への悪影響の視点からの記述です。

その他に砂ズリのときに研磨砂が穴の中へ流れ込んだり、ピッチ磨きのときに酸化セリウムが流れ込んだりするのは困るので、
それらを防ぐ意味での穴ふさぎは当然行なっています。
これには、3mm厚のゴム板を穴径より2〜3mm大きな円にサークルカッターで切り抜いて、穴にはめ込んで使っています。

ガラス蓋の件・・・マクストフレンズに使用するのは、とてもじゃないけど無理でしょう。
透過系に使用するガラスは、出来るだけ脈理が無い(少ない)ことが望まれますが、ガラス蓋は値段からしても、その必要性の無さからも
溶解中の攪拌や冷却時のアニール(徐冷)を行なっているとは考えられません。
つまり、脈理だらけと思われます。
マクストフレンズは口径の10分の1程度の厚みが必要ですし、やはりガラス蓋では無理ですね。


わたなべさん、ご無沙汰しております。
酔ってきたので、返事明日にさせてください・・・




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   Civet - 2016/11/27(Sun) 10:16 No.2842

夢作さん、おはようございます。
毎度のことですが、本当にお忙しいところ当方の素人考えを理論的に考察していただいてありがとうございます。

使っているテスターはキング商会の懐かしいやつですが、ナイフの移動がフリーストップでバーニヤで読み取るようになっています。
今日見ると、ナイフを左右に動かすアームに前後のガタがあり、これが振れるのでますます客観的なナイフ移動量が分からない状況でした。
取りあえず、これにM6ネジがつくようかやってみようと思いますが、新規製作のほうが速い気もしてきました。

また、ナイフにカミソリを採用していますが、これは危ないし、表面が微妙にギザギザしていて実は向いてないそうですね。
テレホンカードでいいのかなあとか思っています。

中央穴はガラス面に出ないように何かでふさぐ必要があるんですね。
ガラス蓋のように数ミリの穴なら、シリコンコーキングを流しこんだりでもよさそうです。

しかし、ガラス蓋のような材質のものをレンズに使った場合、光学ガラスでない問題はやはり厳然として存在しますね(笑)。
昔の窓ガラスは斜めに見たら明らかに脈打ったりしていたのですが、最近のは目で見る分には平らで、望遠鏡でガラス越しに風景を見ても思ったほど劣化しないので、ひょっとするとガラス蓋もけっこういいんじゃ・・・? と思ってましたが、よく考えたら焦点面で数10μmの球面収差を補正しようというのですから、ちょっと無理でしょうか。

また、強化ガラスなので表面と内側でガラスの密度も違っているかもしれません。そう言えば、熱が部分的にかかったり、表面に傷が入っているなどの理由でガラス蓋が粉々に割れる事故がたまにあるようですね。





Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   夢作 - 2016/11/27(Sun) 23:35 No.2843

わたなべさん、こんばんは。

いつも記事を見ていただいて有り難うございます。
副鏡製作の記事も12月にはアップする予定なので、お楽しみに。

F数が小さくなるほどピッチ盤の湾曲が強くなりますから、製作が難しくなりますね。
溶けたピッチを流し込む「流し込み法」は、F数や口径による限界がありますね。
数センチ角の正方形のピッチ板を多数作って、ガラス盤に貼り付けていくのが、手間なようでも結局早道かもしれないですね。

製作中の50cmは厚みが61mmで中央穴が140mmですが、質量は25kg弱あり、結構重いです。
しかし、それ以前に研磨機の移動と改造で、もっとずっと重い物を運んだり持ち上げたりを繰り返していたので、
両肩の痛みが1ヶ月以上続いています。(腰は何とか大丈夫ですが・・)寝ている時の姿勢が一番痛むので困っています。

蒸着装置、完成したのですね。おめでとうございます。
80cmは半ば冗談・・家庭内に50cm蒸着装置があるだけでも前代未聞、凄いことです。
保護膜の蒸着も出来るのですか?




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   わたなべ - 2016/11/28(Mon) 20:56 No.2844

夢作さん、こんばんわ。

はい、いつも参考にさせて頂いてます。

ピッチの板を張り付けるのが良いのでしょうね。
流し込み法は、流し込んだ時にピッチ盤の中央部が冷めるのが周囲よりも遅いので、中央が収縮で凹む傾向がでますよね、貼り付けであればそれがないので型合わせも楽かもしれませんね。

でも、中央の当たりが強くて艶出しの段階で放物面方向に行ってしまうのも問題ありなので、私はその中間あたりのパッドでやっています。

また、艶出し作業も連続で続けるのがよいと思うのですが、平日は夜間に少ししか作業ができないので、その間でピッチ盤のコンディションが変化してしまいます。

蒸着装置の方は、保護膜も蒸着できるのですが、出来栄えがよく確認できません、アルミ+保護膜は良さそうなのですが、銀+保護膜は保護膜の濡れが悪くピンホールが多く発生しているような感じがします。
銀との濡れを取り持つ材料を間に挟む必要がありそうです。

保護膜は現在厚くできないので、ごく薄い膜となっています。

研磨を横目で見つつ、書き込みしていますが・・・
セリウムが乾くのが早いです・・・冬場暖房していると空気が乾いて・・・うっかりするとセリウム切れとなりそうです・・・

多く補給しても、こぼれちゃうんですよね・・・
夢作さんの作業風景では、セリウムが殆どこぼれていないですよね。




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   夢作 - 2016/11/29(Tue) 00:20 No.2845

Civetさん、こんばんは。

キング商会のフーコーテスター、ちょっとした工夫で精度の良いものに改良できそうですね。

私が普段使っているフーコーテスターの前と後ろからの画像を載せておきますね。
わたなべ式RFT(リモートフーコーテスター)は、完成間近の微妙な修正量になってから使っています。

最後の画像は、研磨を中断して、穴ふさぎゴム円板に酸化セリウム液が溜まっている様子を撮影したものです。





Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   夢作 - 2016/11/29(Tue) 00:53 No.2846

わたなべさん、こんばんは。

ピッチ盤、変化しますか・・・どのようなピッチをお使いですか?
もし、道路舗装に使用するアスファルトに松脂を混ぜたピッチなら、確かに変化しますね。
私は光学研磨専用のピッチの中でも特に変化の少ない「レジン系ピッチ」を使っているので、変化で苦労したことはほとんどありません。
少々お高いのが欠点と言えば欠点ですが・・・

冬場は乾燥しているので、確かにセリウムが乾くのが早いですね。早めに水を補給するしかないですね。

セリウムがこぼれないようにするためには、セリウムと水分の量にコツがあって、量が多いとこぼれます。
少ないと乾燥も早いし、そのため、研磨中は私もほとんど研磨機に付きっきりです。

銀の保護膜はMgFが良いのかな?




Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   わたなべ - 2016/11/29(Tue) 20:55 No.2847

夢作さん、こんばんわ。

ピッチはK3をストレートで使っています。
K3もそこそこ硬くて変形は少ないのですが、作業中断後の再開時に調子が出るまで少々時間がかかります。温度の問題かもしれません。

保護膜はMgF2がよさそうですか、SiO2では濡れが悪いようですね。
ガラスと銀の密着は間にアルミを挟めば密着は得られるのですが、保護膜は、さすがに透明な膜でないと・・・
入手できましたら実験してみます。

写真は、研磨研究会へ出張蒸着?したときのものです。
バラバラに分解して、軽自動車に積みます。





Re: 50cmカセグレン主鏡艶出し完...   夢作 - 2016/11/29(Tue) 22:40 No.2848

わたなべさん、こんばんは。

K3をお使いですか。ストレート系アスファルトピッチですね。
K級のピッチは、研磨業者の間では球面や平面を磨くのに最も一般的に使われているピッチですが、精密面を磨く用途としてはやや?です。

その点、レジン系のピッチは針入度の幅が広く、3種類しかないのが欠点ですが、KS1、KS2、KS3を適度に調合することによって年間を通じて適度な硬さのピッチを調合することは可能です。

保護膜・・フッ化マグネシウムはMgFではなくてMgF2でしたね、失礼しました。
アルミニウム蒸着の保護膜は、普通、一酸化ケイ素(SiO)ですが、SiO2は石英(水晶)ですよね。SiO2保護膜は丈夫といえば極端に丈夫ですが・・

真空蒸着装置を軽自動車に積み込んで出張蒸着ですか!!
それこそ前代未聞!アメリカの天文ファンもそこまでやっている人はいないでしょう!
大和魂ここにあり!!?


50cmカセグレン主鏡のピッチ研磨  投稿者: 夢作 投稿日:2016/11/18(Fri) 01:25 No.2831

50cm主鏡のピッチ研磨による艶出し作業です。
この工程は、仕上げずりを終えたきめの細かいすりガラス面をピカピカのガラス面に磨き上げるのが目的です。
この工程を終えた時に、出来るだけ段差やリングなどが無い滑らかな面形状になっていれば理想的です。

左:研磨機が稼働中のところを撮ったので、少しぶれています。

右:研磨機の彼方に夕日が沈む・・・





Re: 50cmカセグレン主鏡のピッチ...   Civet - 2016/11/20(Sun) 10:14 No.2832

夢作さん、皆さん、ごぶさたしております。
大型の光学系製作おつかれさまです。

さて、最近、パラコア2とイーソスの組み合わせにより、F3〜3.5程度の光学系も観望に実用性が出てきて、アメリカの方ではそういう明るい光学系が主流になりそうな雰囲気です。
(画像はオレゴン・スター・パーティで見たMel Bartels氏の32cmF3と15cmF2.8)
ただし、50cmを超える口径ではF3の放物面ということになると指数関数的に製作が難しくなるとも聞きました(これはあくまでアマチュアレベルの話で夢作さんのようなプロフェッショナルには当てはまらないような気もしますが・・・・)。

例えば、今お造りになられている50cmカセグレンだと、主鏡単体でF3のニュートンとしても使用できるようにしてニュートン&カセグレンの運用が可能にするもなのでしょうか?
それとも、カセグレン専用とし、副鏡とトータルで修正量を調節するものが一般的なのでしょうか?




Re: 50cmカセグレン主鏡のピッチ...   夢作 - 2016/11/21(Mon) 00:33 No.2833

Civetさん、こんばんは。ご無沙汰しております。

最近はコマ収差や像面湾曲収差を補正するレンズ系の発達で、短焦点ニュートンが実用になってきましたね。

ところで、製作の難しさという点においては、口径はあまり関係なく、F数だけが問題になります。
それは、非球面(ミラーの場合は断面が主に円錐二次曲線ですが)の程度が、F数が小さくなるほど強くなるからです。
言い換えれば、目標とする非球面の球面からの乖離が大きくなるほど製作が難しくなると言えます。
もちろん、質量や取り扱いの点で大口径ほど大変ですが、それらは製作の難しさとはまた別の観点と言えます。

また、F3というのは製作の難しさという点ではまだまだ大したことはなく、本当に難しくなるのはF2以下です。

今製作している50cmカセグレンはカセグレン専用で、ニュートンとしては使わないようです。
とは言ってもカセグレンと指定されているので、製作者の立場としては、あくまでも副鏡とトータルで修正量を調整する
ようなことは考えないで、主鏡単独でも出来るだけ正確な放物面に仕上げるのが務めと考えています。




Re: 50cmカセグレン主鏡のピッチ...   Civet - 2016/11/21(Mon) 22:06 No.2834

夢作さん、さっそくご回答くださってありがとうございます。

なるほど、球面→楕円面→放物面→双曲面の順に、またF数が小さくなるほど目的の修正量に合わせるのが難しくなるわけですね。
そういう意味ではイプシロン主鏡のようなものは比較的難度が高いと言えますね。

>カセグレンと指定されているので、製作者の立場としては、あくまでも副鏡とトータルで修正量を調整するようなことは考えないで、主鏡単独でも出来るだけ正確な放物面に仕上げるのが務めと考えています。

主・副2面の修正量をそれぞれで完璧に持って行くのは素人考えでも大変な作業だと思います。夢作さんのクラフトマンシップに感動いたしました。
あのベルンハルト・シュミットをして、球面の主鏡に高次双曲面の副鏡を配してカセグレンを製作し、主鏡の製作をやりやすくしたと聞いています(しかし、これだと良像範囲が狭くなってしまうでしょうか)。

製作に没頭される毎日と想像しますが、どうかご自愛ください!




Re: 50cmカセグレン主鏡のピッチ...   夢作 - 2016/11/22(Tue) 00:38 No.2835

Civetさん、こんばんは。
お褒めのお言葉をいただき、またお気遣いいただきまして有り難うございます。

イプシロン主鏡は非球面係数が−2前後の双曲面ですから、放物面の2倍前後の修正量となり、その分研磨に時間を要します。

シュミットの球面主鏡カセグレンは、副鏡が短軸楕円面、いわゆる偏球という面です。
この組み合わせの光学系は非常にコマ収差が強い為、使える視野は非常に狭くなります。
長軸楕円面主鏡に球面副鏡の組み合わせのDK(ダル・カーカム)よりも遥かにコマ収差が強いので、大体想像できるかと思います。


50cmカセグレン式反射望遠鏡のミ...  投稿者: 夢作 投稿日:2016/11/12(Sat) 23:50 No.2827

今年の秋は天候不順で、星雲や星団の撮影がほとんど出来ていません。
その上、仕事も忙しく、しばらく撮影にエネルギーを傾ける余力も無さそうなので、仕事絡みの記事でお茶を濁したいと思います。

最近掛かりきりの50cmカセグレン式反射望遠鏡主鏡の砂ずりの様子を、今日はご紹介しましょう。

左と中は、荒ずり機による凹まし作業中の画像です。
鏡材は、オハラの極低膨張ガラスセラミックス「クリアセラム-Z」です。

右は、仕上げずりが完了した主鏡で、この段階でR=3015mm程(F≒3)です。





Re: 50cmカセグレン式反射望遠鏡...   ひらい - 2016/11/13(Sun) 21:00 No.2828

夢作さん、鏡面製作、お疲れ様です。

夢作さんに研磨してもらった40cmカセグレンの鏡筒製作にようやく着手しました。
画像は副鏡の直進機構の部品です。
直進ヘリコイドとリニアブッシュを使用します。




Re: 50cmカセグレン式反射望遠鏡...   夢作 - 2016/11/13(Sun) 23:03 No.2829

ひらいさん、こんばんは。

40cm、お金かけてますね!
どんなものが出来るか期待してます。




Re: 50cmカセグレン式反射望遠鏡...   ひらい - 2016/11/14(Mon) 21:14 No.2830

夢作さん研磨の高精度光学系を活かすには精密な機構が必要です。
色々と工夫します。


「いて座」の球状星団たちと惑星...  投稿者: 夢作 投稿日:2016/10/19(Wed) 22:19 No.2826

二ヶ月以上前の8月9日に撮影した「いて座」の球状星団たちと惑星状星雲です。
皆、「いて座」の南斗六星を構成する星の一つ、λ星の近くに位置します。

1番目はメシエ・ナンバーが付いているM28です。
(分類 W 視直径11′光度6.9等) 2016年8月9日22時53分に撮影 

2番目はNGC6638です。
(分類 Y 視直径7.3′ 光度9.2等) 2016年8月9日22時37分に撮影 

3番目は小さな惑星状星雲で、NGC6644です。
(視直径2.5″光度10.7等 ) 2016年8月9日23時15分に撮影 

4番目は北半球で見える屈指の大球状星団M22です。
(分類 Z 視直径24′光度5.2等) 2016年8月9日22時21分に撮影


口径404mm焦点距離2240mmのカセグレン式反射望遠鏡(補正レンズ付き)にCanon EOS Kiss X3 ボディを接続して撮影
ISO6400にて30秒露出を5〜7枚コンポジット 

コントラスト調整、トリミングなどの画像処理をしてあります。



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